食べ物のはなし 2
前日に引き続き、食べ物のはなし第二弾です。バックナンバーはこちら。
20代の後半以来、何度か減量を試みました。その時に自分が獲得した事は、「味付けを控えめにして素材の味を大切にする」という事でした。それまでは、比較的塩分も多め、油マヨネーズドレッシングなどもどちらかというと沢山使っていたと思います。減量の一環として、それらの調味料の量を劇的に減らしてみました。初めはなんだか物足りなかったのですが、次第に、いままで数々の調味料に覆い隠されていた「素材の味」を感じる事が出来るようになります。
フランス料理などの、高級に手の込んだ複雑な味のソースなど味わったことのない自分には、この辺が手の打ち所でした。
それ以来、味は一貫して薄味、飲み物はビール、というのが自分のスタイルとなりました。もちろん、その「素材の味」の善し悪しをしっかり吟味できていたのかと問われれば、答えは即座に「No!」です。
なにか、誰しもが料理に一家言持たなければならないような風潮に対し、そういうスタイルでいこう、と決めただけのことです。
そんな感じで30代も半ばを過ぎたころ、ちょっと衝撃的な出会いがありました。
時間が空いたので、ぷらっと台湾に出かけました。人生二度目の海外旅行です。特に何がみたいというわけでもない行き当たりばったりの旅でした。
そのとき、何の気なしに食べた小龍包のおいしかったこと。決して「素材の味」とかではなく、もちろん素材は大切にしても、ていねいに作り込まれた味でした。店の名前は鼎泰豊(ディンタイフォン)。超有名店ですね。
「ふん、なにがグルメブームだ。食べ物なんて、腹がふくれればええねん。」と思っていた自分のなかで、このとき何かが変わりました。ふむふむ、美味しい物を食べるってのもいいもんだな。
この鼎泰豊ですが、日本にもぼちぼちと支店が出来はじめている頃でしたので、日本に帰ってから、京都の高島屋まで食べに行きました。その時は、まだなんばの高島屋には入っていなかったのです。その時もおいしかったのはおいしかったのですが、何も期待せずに、大安森林公園で包みを広げて、あちあちと言いながら食べたときの感動は望むべくもありませんでした。
人生一期一会だなあ、と。(S)
20代の後半以来、何度か減量を試みました。その時に自分が獲得した事は、「味付けを控えめにして素材の味を大切にする」という事でした。それまでは、比較的塩分も多め、油マヨネーズドレッシングなどもどちらかというと沢山使っていたと思います。減量の一環として、それらの調味料の量を劇的に減らしてみました。初めはなんだか物足りなかったのですが、次第に、いままで数々の調味料に覆い隠されていた「素材の味」を感じる事が出来るようになります。
フランス料理などの、高級に手の込んだ複雑な味のソースなど味わったことのない自分には、この辺が手の打ち所でした。
それ以来、味は一貫して薄味、飲み物はビール、というのが自分のスタイルとなりました。もちろん、その「素材の味」の善し悪しをしっかり吟味できていたのかと問われれば、答えは即座に「No!」です。
なにか、誰しもが料理に一家言持たなければならないような風潮に対し、そういうスタイルでいこう、と決めただけのことです。
そんな感じで30代も半ばを過ぎたころ、ちょっと衝撃的な出会いがありました。
時間が空いたので、ぷらっと台湾に出かけました。人生二度目の海外旅行です。特に何がみたいというわけでもない行き当たりばったりの旅でした。
そのとき、何の気なしに食べた小龍包のおいしかったこと。決して「素材の味」とかではなく、もちろん素材は大切にしても、ていねいに作り込まれた味でした。店の名前は鼎泰豊(ディンタイフォン)。超有名店ですね。
「ふん、なにがグルメブームだ。食べ物なんて、腹がふくれればええねん。」と思っていた自分のなかで、このとき何かが変わりました。ふむふむ、美味しい物を食べるってのもいいもんだな。
この鼎泰豊ですが、日本にもぼちぼちと支店が出来はじめている頃でしたので、日本に帰ってから、京都の高島屋まで食べに行きました。その時は、まだなんばの高島屋には入っていなかったのです。その時もおいしかったのはおいしかったのですが、何も期待せずに、大安森林公園で包みを広げて、あちあちと言いながら食べたときの感動は望むべくもありませんでした。
人生一期一会だなあ、と。(S)