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公共心みたいな話

先日、地下鉄に乗っていると、若い男の人が乗り込んで来ました。左手には、棒付きフランクフルト、右手には紙パックの飲料を持ち、それらを交互に口に入れています。

フランクフルトを食べ終わった彼は、残った棒をコンビニ袋に入れて、ぽとん、と床に落とします。飲料を飲み終えると、紙パックをひょい、と座席の上の棚に載せて何食わぬ顔をしています。


こんな時、どうするのが正しい行いなのでしょう。ちなみに相手は巨漢です。

A、彼をぶん殴って、説教を始める。
B、にこやかに注意して、彼の置いたゴミを彼に手渡す。
C、彼に見えるように、自分がそのゴミを拾って、どこかの駅でゴミ箱にすてる。
D、何もしない。

出来るならAだな、最低でもBだな、でも結構恐いよな、と思いながら時間が過ぎていきます。電車も混み始め、僕と彼の間に人が割り込んできますと、行動に出るのに要するエネルギーは、一気に増大してしまいます。


正直申しますと、僕はこういう行為を見るととっても腹が立ちます。同時に、その自分の腹立ちは正当なものなのか、検証をほぼ自動的に始めてしまう、というやっかいな部分も持ち合わせております。

「公共の場所にゴミをすててはいけない」
というのは、一体どれくらい普遍性のある価値観なのか。一人devil's advocateが始まってしまいます。


「ここはゴミを捨てる所じゃないですよ。ちゃんとゴミ箱に捨てましょうね。」
「え、なんで?だれにも迷惑かけてへんやん。」
「こういう行動は周りの人にとってもあまり気持ちのいいものではないでしょ。」
「知らんやん。周りの人、ってあんただけちゃうん?」
「みんながあなたのようにゴミを捨てだしたら、車内はゴミだらけになってしまいますよ。」
「みんなが捨てる様になったらそんとき考えるし。このゴミだって、車掌さんが捨ててくれるから、別にそれでええんちゃうん?」


公共心の欠如した人間に公共心を植え付ける事は、余計なお節介ではないのか。彼に注意して、ゴミを捨てさせる事は、シーシェパードの船長がわざわざ太地までやってきて長い棒を振り回しながら町民を威嚇して回る事と、どれだけの違いがあるのだろう。
結局は、自分の持つ価値観を逆なでする人間に対して、不快感を感じただけ、つまりは、自分のエゴに過ぎないのではないか。

なんだかあまり自分の気に入らない結論に近づきつつあります。誰か、いやそんな事はないよ、と僕を説得してください。


でも、彼は、下車するとき、ドアが閉まる直前までそんなそぶりを見せずに、素早く降りて行きました。てことは、罪の意識はあったのかもしれません。注意されたら、「いや、今ここに置いてるだけやし。」という言い訳くらいは用意していたのかもしれません。


彼が降りた後に残ったゴミは、僕が駅のゴミ箱に捨てました。なんだかむなしさが残りますが、出来る事はこれくらいしかないのかもしれません。


コメント

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タバコも

腹立ちますよね。

ただ、自分の腹立ちは本当に正義なのだろうか、とつい考えてしまう、というお話です。

法律改正♪

私もCだと思います。今日、たまたま近所のお祭りで飲食物のトレーや飲料のアルミ・スチール。ペットなどの分別をするボランティアをしてきたばかりでした。
タバコのポイ捨ても腹が立ちますが…
拾った人は、目の前で捨てた人にタバコで焼きを入れてもいいという法律でも作ってもらいたいくらいです。
買ってね
2012までのストレッチマン音楽集です。未発表曲もあるでよ。
The Backstreet Shinings
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ハープとアコーディオンのデュオ、「満月倶楽部」もよろしく。レパートリーは60曲に達しました。
満月120
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