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William Fevreでぎゅ

そしてデギュスタシオン。7種類全てドメーヌものですので、ドメーヌは省略します。ついでに”シャブリ”も省略します。
2008
6月に瓶詰めしたばかりのワインです。2008年というのは冷夏でブドウの成熟が心配された年でした。ぎりぎりになって晴天が続き、どうにか収穫にこぎ着けたそうですが、酸が高いのが特徴のシャブリにあって、いっそう高い酸を持つのがこの2008年です。マロラクティック発酵がゆっくり行われたので、まだフレッシュなフルーツと同時にぴちぴちした酸を感じることができるそうです。
2007プルミエクリュVaillons
Vaillonsというのが一級畑の名前です。こちらは左岸にありますので、右岸に比べると、日照がやや足りない可能性があります。同じ畑の中でも、区画によって性格が違うので、それらを混ぜてバランスを取るそうです。
2007プルミエクリュFourshaume Vaulorent
Fourshaumeという畑のVaulorentという区画からとれたブドウで作ったワインです。この区画はプルミエクリュとはいえ、右岸です。グランクリュ畑の隣に位置するので、より高品質を期待出来るようです。
どんどんその差が細かくなります。基本的に製法は変わらないので、ワインの差は区画の差から生まれると思ってだいたい間違いないでしょう。道一本隔てただけでワインの味も変わってしまうそうです。こんな細かい土地ごとの差を、ミクロクリマと言います。クリマは英語でclimateだと思います。日照、土壌の二つが一番大きな要素でしょうか。

2007グランクリュBougros
2007グランクリュBougros Cote Bouguerots
同じブーグロというグランクリュ畑ですが、”Bougros”の方は勾配がゆるやかなところ、” Bougros Cote Bouguerots”は勾配が急な所に生えているブドウの樹からとれたブドウを使っています。勾配が急な方は、雨で表土が流れやすいので、表土が薄く、よりキンメリジャンの影響を強く受けます。結果、深いミネラル、力強さが特徴として現れてくるそうです。このような勾配の急な斜面にある畑では、流れ落ちて下にたまってきた表土をまた上まで運ぶ、なんていう作業も必要になります。大変ですねえワイン造りって。
ちなみに、こんな勾配です。

これが上から。

んで下から。
ここはブーグロではなく、クロドゴワッセという畑ですが。

2007グランクリュLes Preuses
このレプリューズというグランクリュ畑の北の区画からは、オイリーで力強いワインが、南の区画からはタイトでミネラリーなワインが出来ます。これを絶妙のバランスでブレンドすることによって生まれる高級シャブリです。飲んだ印象としては、まだミネラルが閉じており、熟成に時間がかかるそうです。
2007グランクリュLes Clos
7つあるグランクリュ畑の中で、最も評価が高く、また面積も広いレクロという畑のブドウを使っています。土壌は、表面が粘土、その下がキンメリジャンです。バランスの良い、うーんレクロ、っていった感じのお味だそうです。

うーん、シャブリ。
またまた恥を忍んで告白します。全然ちがいがわかりません。

冷蔵庫を買ってしまいました


左が旧冷蔵庫、右が新冷蔵庫。
こうして並べても、あまり変わり映えがしませんな。
今までの冷蔵庫よりも、奥行きがやや短くて、背が少し高く、冷凍庫の容量がかなり多くなりました。これで、いろいろと作り置きが出来ます。
もちろん、環境にもやさしいみたいです。

エコポイント14000点は、全部WAONに替えてしまうつもりです。

10月の満月倶楽部、かなりタイトなスケジュールになっております。ダブルヘッダーが二回。詳しくは、満月倶楽部ホームページをどうぞ。

William Fevre

地中海に別れを告げて5日。ついに、シャルドネの北限、シャブリにたどり着きました。

かわいいレストランでヘヴィなランチを終えたあとは、シャブリを代表する大手メゾン、William Fevreです。


なんだか英国の香りがする名前ですが、フランスのポピュラーな名前に、ギヨームというのがあり、一時期それを英国風にWilliam、とするのがはやったそうで、創業者がイギリス人とかそういうことではないそうです。
僕が手を挙げて質問するのは、まず、こういったワインとは直接関係ない事だけです。

さて、1850年に設立されたウィリアムフェーブルは、46haの自社畑を所有しています。そのうちグランクリュが16ha、プルミエクリュが12ha、その他が20ha、あれ?計算合いません。どっかを聞き間違えたようですが、まあだいたいこんな感じです。
製造はほぼビオ。年間に35万本作ります。
ちょっと計算してみましょう。35万本ってことは、リットルに直すと、ざっと27万リットル。ワインの世界では収量をヘクトリットル/ヘクタールで表す事が多いのでそれにならう事にします。ヘクトというのは100ですから、27万リットルは2700ヘクトリットル。46ヘクタールで2700ヘクトリットルということは、収量は、58hl/ha余りということになります。
極めておおざっぱに言うと、この収量は少ないほど良いワインである可能性が高くなります。ぼんやりとした印象で言いますと、名の通ったワインとしては、やや多めの収量と言えるかと思います。もちろん収量で全てが判断出来るほど、ワインの世界は簡単ではありません。あくまで、数ある物差しの一つであるとお考えください。

シャブリには珍しく、選果というプロセスがあります。まあ、ボブをして「世界一緻密な選果」と言わしめたクスダワインの選果を経験している自分からすれば、驚くようなものでもないんでしょうけれど。もちろん、あれは、量が少ないから出来ることですが。
ともかく、シャブリでは選果というのは極めて珍しいそうです。
10%から80%ほどの割合で樽で発酵させます。といっても、新樽では木の香りがつきすぎるので、新樽率は2%におさえます。
ネゴシアンとしては年間100万本。ブドウを買うのか、ワインの状態で買うのかは聞きそびれましたが。エチケットに”Domaine”の文字があるかないかで、ネゴシアンものかドメーヌものかを判別できるそうです。

シャブリを特徴づけるものの代表が、土壌。キンメリジャンと呼ばれるこの土壌は、遠くイギリスまで続く、海が隆起して出来た石灰層です。主に牡蠣などの貝がらからなっており、ところどころにある白い崖では、10メートル以上もの石灰の層を見ることができます。ブドウ畑の中を横切る道も真っ白で、あたかも雪が降ったあとのようです。
こんな、ミネラルを大量に含んだ土壌から出来るシャブリは、牡蠣などの貝類に合うと言われます。
コートドールよりもまだ北にあるここシャブリは、シャルドネを使った非発泡性のワインの北限です。というのも、発泡性のワイン産地、シャンパーニュはここより北にあるからです。シャンパーニュではおおざっぱに言って、三分の一くらいがシャルドネなのですが、それはまた次のお話。

南東から北西へ流れるスラン川沿いに広がるこのシャブリは、主に、川の右岸つまり南西向きの斜面にグランクリュ畑が広がっています。
フランス南部では、いかに冷涼であるかが大切でしたが、ここまで北に来ると、いかに日照を確保するかがとても重要な事になってきます。

近鉄百貨店は

読売ジャイアンツを応援しています。
だって。おいおいおいおい、いつからだよ。

今日、色々と食料を買い出しに近鉄百貨店に行くと、読売ジャイアンツの優勝セールが。
近鉄といえばバファローズと40年以上刷り込まれてきた旧い頭の人間には、とても違和感があります。節操なさすぎちゃう?と感じてしまいます。

でも、そんな事思う人より、何でもいいから安売りなら歓迎、と思う人が多いんでしょうね。百貨店の戦略としては成功なのかもしれません。
自分の様な天の邪鬼は、近鉄百貨店で買いたくなくなるけれど、そんな奴少ないやろし。ごくごく小さなマイナスに、大きなプラス、ってとこなんでしょうね。

今時、節操なんて言葉、死語かもしれません。機を見てさささっと立ち位置を変えるのが現代風で、そうでないと生き残っていけないんでしょう。

ああ、年寄りの繰り言だ。

でも、俺はこれからなるべく近鉄では物を買わないぞ。
そんな事言ってたら、しまいに、どこでも物買えなくなるけど

旅行中の食事事情

旅行の間のお食事の話を少し。

まず朝。かなり豪華なブッフェスタイルのホテル朝食。
パンに卵にチーズにハムにフルーツヨーグルトなどなどです。根が貧乏性なものですから、ついつい沢山取って食べてしまいます。

昼は2ディッシュくらいのコースに、ワインを少し。これが量もかなりのもの。たとえば20日、クロードデュガを訪れた後、車をシャブリまで飛ばしたあとのランチはこんなお店で。

こんなかわいいレストランなのですが、お肉はかわいくありません。左にあるデジカメは、この肉がいかに大きいかをわかりやすくするためのガイドです。

この前に、シェブールチーズのフライが三個もついたサラダが出ているのです。
更に、更に、この5時間後くらいには、またもやランスの二つ星でフレンチのフルコース(デギュスタシオンコースなんですが)が大量のワインとともに待っているのです。

昭和一桁生まれの両親を持った自分は、子供の頃から「食べ物を残してはいけません」とすり込まれていて、いまだにその呪縛から逃れられずにいるものですから、ついつい完食してしまいます。

その翌日もほぼ同様。今度はホテルのレストランでのディナーですが、やっぱり二つ星。この頃には身の危険を感じ始めます。親の教えを愚直に守って自分を生命の危機にさらすというのは間違っています。少しずつ残す事を学習し始めました。
ああもったいないもったいない。

結局、6日連続でフレンチのほぼフルコース。そのうちミシュラン二つ星レストランが四回。計8つの星を獲得してしまいました。飲み食いはきっと大量なんだろうなあと漠然と予測はしていましたが、予測を遙かに超えた量には、ただ押し黙ってしまいそうです。帰って体重計に乗るのが怖いです。

みんなと別れたとたん、ランチはこうなります。

この、焼けすぎの所とかも含めて、何か、ほっとします。

市長選挙

、落選したようです。

僕は、そこの市民ではないし、日本にいなかったから、彼がどんな事を訴えて選挙に打って出たか、など、詳しい事は知りません。
でも、そういった選挙運動からは、彼の人間性とか、本当のヴィジョンなどといったものは見えてこないんではないか、と危惧しておりました。
今回の落選を糧に、いろんな事を反省して、立派になってほしいものです。

クロードデュガ2

ほんでもってデギュスタシオン。

2007ジブリオットブルゴーニュルージュ
ジブリオットというのは、デュガのネゴシアンとしてのブランドで、長男のベルトラン氏が担当しています。
ネゴシアンというのは、ブドウやワインを誰かから買って、自分のブランドで売る人たちの事です。
醸造設備を持たない小規模な農家にとって、あるいは、販売経路やノウハウを持たない小規模なワイン製造者にとって、ネゴシアンというのは長い間不可欠の存在でした。最近では、自分の畑でとれたブドウで、醸造熟成瓶詰めの最後まで、自分のところで責任を持ってやる人たちが増えてきていますが、醸造や熟成の設備を持たない農家が無くなったわけもなく、今でもネゴシアンが重要な存在であることに変わりはありません。

もちろん、ネゴシアンだからといって質が落ちる、と一言で片付ける訳にはいきません。ブドウの実の段階で買うのと、ワインになった状態で買うのとではまた違いますし、買うときにどれだけシビアにセレクトしているかでもまた違ってきます。又、醸造、熟成などの工程によっても、ワインの質は大きく変わってきます。

このジブリオットのブルゴーニュルージュでは、出来たての若いワインを信頼できるワイン生産者から買い付け、樽熟成などの工程は自分のところでやっています。
2007ジブリオットジュベレシャンベルタン
一回使用樽を使って熟成しています。
2007ジブリオットジュベレシャンベルタン1er Cru。
はい、また出てきましたね、1er Cru。プルミエクリュと読みます。一級畑で採れたブドウのみを使って作ったワインです。プルミエクリュ、という名のつかないワインよりも高品質である事を期待する事が出来ます。このワインは、色々な一級畑で買ってきたワインを混ぜて作っています。
2007ジブリオットシャルムシャンベルタン
でましたグランクリュ。シャルムシャンベルタンというのは、ジュベレシャンベルタン村にある特級畑です。ふー。
ここまで来ますと、香りの差は、この僕でもわかります。より豊かで華やかで奥深い感じとでもいいましょうか。


ここからはジブリオットではなく、ドメーヌもの、Claude Dugatの名がつくワインです。自分の畑で、ブドウを作る段階から瓶詰めまでを責任を持ってやっているので、より安定した高品質を期待する事ができます。
2007クロードデュガACブルゴーニュ。
これはジュベレシャンベルタンだけではなく、ブルゴーニュの中のいくつかの畑のブドウを混ぜて作っているということです。
2007クロードデュガジュベレシャンベルタン。
ジュベレシャンベルタン村だけのブドウを使っています。約10ほどの区画のワインをブレンドしています。

そしてここからは、リリース前の樽出しワイン。こういうのは、カーブまで足を運ばないと絶対に飲めませんので、ある意味お値打ちですが、完成の一歩手前のワインですので、味のバランスや落ち着きなどの部分で、完成とはいえないものです。「むっちゃうまー」とはならない事が多いようですが、経験を積むと、瓶詰め後にはこんな味になるんだろうなあ、などと言うことを想像することが出来るようになります。
理屈はわかりますが、自分がそうなるには、あと30年位かかりそうです。寿命との戦いです。

2008ジュベレシャンベルタン。
マロラクティック発酵が終わったばかりなので、酸がまだ落ち着いていません。ぷちっとした酸と表現されていましたが、なんとなくわかるようなわからんような、です。来年五月に瓶詰め予定。
2008ラボーサンジャック
2008シャルムシャンベルタン
以上。

柔和な笑顔の巨匠クロードデュガ氏。

そして、デュガ氏とのツーショットにご満悦なのが、今回のツアーの精神的支柱とも言える、通称「チューさん」です。


デュガ氏は、僕たちがバスに乗り込んで出発するまで、手を振って見送ってくれました。巨匠にしてこの物腰。僕は心に誓いました。
「これから一生、ワインはデュガしか飲まないぞ!」
その誓いは、わずか二時間後には破られてしまうわけですけれども。

ボネールさん終了

しばらく楽器から遠ざかっていたのが、どちらかというと良い目に出たようです。
新鮮な気持ちで楽器に向かえた気がします。
まだまだ低いレベルでの話ですが、ほんの少しだけ、小さい小さい山を越えたなあ、と実感できました。
これから何年もかけて、少しずつ大きい山を越えて行きたいと思います。

クロードデュガ

20日。朝ボーヌの街を出発。グランクリュ街道を北上します。
左手を見ると、あの辺がエシェゾーだ、これがクロドヴージョだ、おっと行き過ぎたロマネコンティまで戻らなきゃと、次から次へと有名グランクリュ畑が見えます。
お決まりですが、聖地ロマネコンティの畑の前に立つ十字架の前で、パチリ。



こっちが、ロマネコンティの醸造所。この中で、世界で最も高価なワインが生産されるわけですね。


これで胸を張って、ブルゴーニュに行ったぞ、と言う事が出来ます。

そして、クロードデュガさんのドメーヌへ。
ここのカーヴは12世紀に作られたそうです。どこもかしこもすごいですな。

このカーヴで、オスピスドボーヌのワインも仕込んでいるそうです。
ここにはこんなボトルも。

一番古い物で1928年のワインもあると言っていたような気がします。

今日はボネールさん

フランスの興奮さめやらぬ昨今ですが、今日は帰国後初の演奏です。
きのう、約二週間ぶりにぶがじらうにさわると、わずかにしゅー、て音がします。しばらく放っておいただけなのに、すねて空気漏れがはじまったようです。
まだそれほど致命的ではないのですが、そろそろ、チューニングも含め、メンテナンスに出す必要がありそうです。

新しいアコーディオンももう少しで出来るようです。それまでなんとかだましだましでも使っていければよいのだけれど。

Caves Madeleine

ディナーまで少し時間があったので、コルトンの丘へ。写真で何度も見たことのある、あの印象的なフォルムがそのまま眼前に現れます。ああ、コートドールに来たんだなあという感慨を新たにします。

とにかく、今回のツアーは、少しでも時間が空けば、何かが入ります。休む暇は、唯一、バス移動の間だけ。それとて、右に畑が左にチャペルがと、ずっと寝ているわけにもいきません。

夜はボーヌの旧市街から少しだけ東に行った所にあるCaves Madeleine。星無しですが、コスパ高し。
お料理代24ユーロに対し、ワイン代がその三倍弱。自分の人生の中で、お酒指数の最も高いディナーとなりました。
1、クレマンドブルゴーニュDomaine Bohrmann
翌日からシャンパーニュ祭りなので、ここはあえてクレマンで。
2、2004シャブリブランショGran Cruドメーヌフランソワラヴノー
シャブリの中では特異な作り手だそうです。僕でも、これは典型的なシャブリではないな、ということはわかります。
3、2005コルトンシャルルマーニュルシアンルモアヌGrand Cru
シャルルマーニュの丘登頂記念。ゆうても僕はうかうかしていて登ってないんですが。
4、2001ヴォルネサントノデミリュー1er Cruまぐなむ
この畑は実はムルソーにあるそうです。でも赤はヴォルネを名乗ります。ややこしいことこの上ありませんが、ここを乗り越えないと、ワイン通にはなれません。むしろ、ワイン通は、喜々としてこういう事を語ります。
5、2000シャトーボーカステル”Hommage a Jacques Perrin”
最後は南に戻り、何日か前に訪れたシャトーボーカステルのフラッグシップ。こゆいです。

10人でこれだけですから、量的には大したことないですが、なかなかすごいラインナップらしいです。
それにしても、これだけワイン漬けの生活が続くと、冗談でなく、自分の排泄物からもワインの匂いがしてきます。何となく、汗腺からもワインがにじみ出てくる様な気すらします。

ニコラポテルだよん

トマちゃんと別れて、ランチはボーヌの旧市街で。毎日朝からお酒漬けの生活です。何かが麻痺しています。昼から飲みます。しかし今日は久しぶりのビールです。
マルセイユのレストランで一人で飲んで以来、四日ぶりのビールです。

んで、午後は、Nicolas Potelさんのドメーヌへ。
元々はネゴシアンだったポテルさんですが、2007年からワインを生産しています。これからも色々と企んでいるらしいです。商標とか、法律的なお金にまつわる問題も、なんだか大変みたいです。

中庭では、子供たちが選果のお手伝い。


彼らは未来の偉大な醸造家かもしれません。 かくいう僕も、親が新聞屋だったので、子供の頃から新聞配達やをらされていました。現段階では、まあ同じようなものでしょう。もちろん、新聞屋に比べれば、ワイン製造業というのは随分とクリエイティブでやりがいのある仕事には違いありませんが。少なくとも当時の自分は、未来の偉大な新聞屋ではありませんでしたし、そもそも偉大な新聞屋などというものは、僕の知る限り存在しません。

そんなんどうでもええか。

ここもビオにこだわっています。ステンレスタンク以外のものは、ほぼナチュラル素材です。
ワインに直接触れるものだけでなく、ほかの物も出来るだけ人工的な物を排除しているそうです。動力も環境に優しい電気を使います。
そういうことは確かに大切な事でしょう。でもあんまり声高に言うのもどうかな、と思ってしまいます。本当に環境に優しくありたいのならば、ワインなどという手間のかかる嗜好品を作らずに、もっとエントロピーの増加に関与しない生き方をすれば良いのですから。ワインを作る人間としてアピールするべきなのは、「いかに環境に負荷をかけていないか」ではなく、「いかに高品質のワインを作るために手間暇をかけているか」ということなのではないでしょうか。
もちろん、彼がそういう話を全くしなかったわけではありません。念のため。ただ、環境に配慮していることをやや強調しすぎに思えたものですから。でも、彼にとっては、「いかに高品質のワインを作るために手間暇をかけているか」なんてことは当たり前以前の話なのかもしれません。

いろいろとお話をうかがっていて、彼はワイン醸造家であると同時に、哲学者でもあるのだなあ、と感じました。写真中央がポテル氏です。


そして試飲。
あいも変わらずさっぱりです。

帰国

ようやく帰国いたしました。
一つの国に11泊というのは、自分としては、生まれて初めての海外旅行だった29歳の時のUSA訪問に次ぐ長さです。頑張りました。

仕事が山積みです。気持ちを切り替えて頑張りましょう。

昨日というか一昨日泊まった、Bourg-la-Reineという場所から、シャルルドゴール空港までは、RNRで乗り換え無しでちょうど一時間。重い荷物を持っているので、乗り換え無しというのがありがたかったです。

空港で、楠田先生ご夫妻に二日ぶりの再会。彼らは、ボルドーの富永先生のお墓参りに行っていたのです。機内で一緒に飲もうと冷えたローランペリエを用意してくださっていた先生、申し訳ありません。本当に有り難いことこの上ないのですが、どうか僕に休肝日をください。時差の関係でこの日は一日が17時間しかありません。17時間で休肝日をカウント出来る大切な日なのです。ってなんか本末転倒ですが。

もちろん、今日も酒を飲まずに仕事です。
旅の報告の方も、少しずつ進めていきますので、どうぞよろしく。

ジョセフドルーアンでの試飲

レポートの前に、現況報告など。
モンサンミッシェルを出て、無事パリ郊外のホストのアパートメントにたどり着きました。
一緒にお酒を飲んで、いろいろとお話をして、一泊。朝を迎えました。まもなく空港に向かいます。
で、ジョセフドルーアンの続き。


それから地下カーヴでの試飲とあいなります。


せっかく手綱を締め直したところですから、銘柄だけでも。

まずは白。
2007ブルゴーニュブラン”Laforet”
これは古樽100%。
2007リュリ
リュリというのは、少し南のコートシャロネーズにある畑です。10%の新樽使用。
2007クロデムーシュブラン
ほぼモノポール。モノポールというのは、一つのドメーヌで畑を独占していることです。35%の新樽と65%の一回使用樽。

ここで、樽使用について。
新樽が最も樽の風味を濃くワインに与え、一回使用するとその樽の風味は半減します。そうして色々な樽を使って熟成させたワインを最終的にミックスすることによって、バランスのとれたワインを作り出します。
このクロデムーシュという畑は、モンラッシェのフィネスとコルトンシャルルマーニュの骨格を併せ持つ畑だそうです。当初はピノノワールとシャルドネが混植してあったのですが、1925年からそれを分け始め、白をリリースします。それがパリのレストラン、マキシムの目にとまり、それから15年の間、マキシムが独占的に買っていたワインです。

2007シャサーニュモンラッシェモルジョ1er Cru”マルキドラギッシュ”
20〜23%が新樽で、残りが一回使用の樽を使っています。このワインには、クロデムーシュにはない緊迫感があるそうです。

そして赤。
2007ブルゴーニュ”Laforet Rouge”
この年の赤の特徴として、フレッシュなブラックチェリーの香りがするそうです。
2007シャレレボーヌ
平地にある畑ですが、粘土と石灰の土壌で、黒いフルーツとグリップ感が特徴らしいです。
2006シャンボールミュジニ1er Cru
エレガンスさ、言い換えるとフィネスが特徴だそうです。対して、ヴォーヌロマネやジュベレシャンベルタンは、力強さが特徴だそうです。
レサルムーズという極めて評価の高い畑を中心に、四つのプルミエクリュ畑のワインをブレンドしています。

ちなみに、プルミエクリュというのは、グランクリュに次ぐ、良いブドウを産すると認定された畑の事です。1er Cruなんて書き方をすることもあります。
もひとつちなみに、ブルゴーニュには全部で565のプルミエクリュがあります。そのうち、自分は今までに単一畑ものだけで、20位は飲んでいるでしょうか。
5年から10年寝かせる事で、奥にある果実味が出てくるらしいです。これがこの年のシャンボールミュジニの特徴でもあります。
2004ニュイサンジョルジュProce 1er Cru
難しい年でも出来の良いワインは作れるという事の証明でございます。もちろん、当たり年のような熟成ポテンシャルは望めませんが。
子鹿の肉にフルーツソースなど一緒にどうぞ。
2001ヴォルネ
熟成感あり、余韻もあります。コートドボーヌでは、Volnayというのは最もエレガントな赤を作ります。だそうです。
子羊にジロール茸なんかといかが?

ちなみにコートドボーヌというのは、ブルゴーニュの中でも、最も高品質のワインを産するといわれる、コートドールの南半分を指します。どちらかと言うと白ワインで有名です。それに対し、北半分はコートドニュイ。こちらは赤が中心。
世界で最も高価なワインといわれる、ロマネコンティは、このコートドニュイのヴォーヌロマネ村にあるグランクリュです。
もひとつちなみに、あまり知られていない事ですが、2001年はブルゴーニュの当たり年だそうです。てことは、品質の割には安価で手に入る可能性があるということです。内緒だよ。
1995ジュベレシャンベルタン
2006ジュベレシャンベルタン
以上でございます。

まあ、南の方のワインとはちょっと違うな、位のことは自分にもわかります。高級ワインの方が、なんだかおいしいようだということも、ぼんやりとわかります。
ここが現在の到達点です。
1年半勉強してこれですから、先が思いやられますな。ボタンアコーディオンは買って1年半で既に人前で演奏してたのにね。

ジョセフドルーアン

ボーヌ旧市街のほぼ中央に巨大な地下カーヴを所有するJoseph Druhin。

その地下カーヴの始まりはなんと西暦200年代にさかのぼります。もちろん、当時はワイン貯蔵用ではなかったと思いますが。

1880年代に、ドルーアン家がワインを作り始めて、現在四代目になります。初代がジョセフ、二代目モリス、三代目ロベルト、そして四代目は名前を忘れましたが、三男が代表を務めます。長男も次男も、畑仕事や醸造の方が向いているらしく、経営のおはちが回ってきたのが三男、という構図だそうです。
所有する畑は80ha。うち42haがここコートドールで、残りの38haは150kmほど北に行った、シャブリにあります。そして、コートドールにある所有畑のなんと60%がグランクリュもしくはプルミエクリュです。

1983年からビオ製法にトライを始めて、現在では100%ビオディナミを達成しております。ビオディナミというのは、1920年代に、オーストリアのルドルフシュタイナーという偉い先生が唱えた、肥料にも除草剤にも除虫剤にも病気に対しても化学物質を一切使わない農法の事です。現在では、ロワールのニコラジョリという人がその精神的支柱となって、世界中に広がっています。
その考え方自体は基本的に正しい方向を向いてはいるのでしょうが、薬を使わない代わりに、水晶の粉を水に溶かして右回りに左回りに混ぜることによって、力をあつめてどうたら、とか、かなり呪術的な要素も色濃く、眉唾な部分もあります。

ただ言えるのは、自然を相手にしたブドウ造りあるいはワイン造りというのは、科学的論理的なアプローチだけでは、絶対にどうにもならない部分がある、という事でしょうか。
人類が文明をもちはじめ、自分たちの力を超えた存在を、畏怖とともに宗教というものに落とし込んでいったのと近い事が、ワイン造りにおいても行われているのでしょう。

2004年のブルゴーニュというのは、冷夏で多雨のせいで不作の年で、ある有名な女性醸造家がグランクリュをリリースするのをあきらめた年ですが、ここジョセフドルーアンでは、水晶の力などを利用して、それなりのクオリティのワインを作り上げたそうです。
と言っても、全てが例年通りに言ったわけでもなく、たとえばジョセフドルーアンの代表的なワインの一つである、クロデムーシュルージュのリリースをあきらめ、クロデムーシュの畑でとれたブドウで作った赤ワインは、ACボーヌでリリースしました。逆に言えば、この年のACボーヌはお買い得である、ということが言えるのかもしれません。
もし市場で2004クロデムーシュルージュを見つけたら、それはおそらく某東洋の大国産の偽物でしょうとトマちゃんが言ってました。

ジョセフドルーアンとしては、口の中で持続するワインを作りたいそうです。

そしてついにコートドールへ

ボーヌは小さな街です。城壁に囲まれた旧市街は歩いて簡単に回れるサイズ。観光客の勝手な要望としては、旧市街全部車入れないようにすればいいのに。石畳の道を自由に歩き回るのはそれだけで楽しいです。


まずはその旧市街のほぼ中央に位置する、Joseph Druhin。家族経営のドメーヌとしては、トップクラスらしいです。


特筆すべきは千数百年も昔に掘られたという地下カーヴ。こんな街の真ん中に、こんなに広い地下室が広がっているというのがすごいです。


一人で取り残されたら迷子になってしまいそうです。
こんな昔の圧搾機械も残っています。

1995年と2000年には実際にこれを使用してワインを作ってみたそうです。

営業担当のトマちゃん202cm。

彼による、ドメーヌの歴史の講義がいろいろとあります。あまりに多くのワインメーカーを訪れ、あまりに多くのワインを試飲し、あまりに多くの情報が入ってきて、だんだん、整理して文章にまとめるのも面倒くさくなって来てはいるのですが、このあたりでもう一度手綱を締め直して、少ししっかりと書いてみようと思います。

来ちゃった


今夜の宿はネット繋がらなさそうなので、携帯から。明日の連絡が問題です。
【Shin Sato】

北へ北へ

七泊をともにした約20人と別れる朝がやって参りました。これから一人でモンサンミッシェルへ行くのですが、どうやって行けばよいのかなど、全く決まっておりません。とりあえず、シャルルドゴール空港まで、みんなと一緒に行ってしまうことにしました。

で、数日遅れのレポートです。レポートも、なるべく総合的視点から書こうと努力はしているのですが、色々な事が抜け落ちています。

9月18日。
エルミタージュを出て、アポ無しで飛び込んだのが、コンドリウあたりにある、Francois Villard。


いきなり訪れたのに、色々見せてくれて、試飲までさせていただきました。
今は、ブドウの収穫をほぼ終え、仕込みにかかる最繁忙期。よい子のみなさんは絶対にまねしてはいけません。
ここは、さすがにいきなりなので、試飲は二種類。コンドリュウとサンジョセフやったかな。

そして車はローヌ川沿いに、北へ北へと向かいます。
ボジョレーで、89年のボジョレーグランクリュなんぞをマグナムでいただきつつランチ。そして、ついに本丸、コートドールです。おおざっぱに言って、僕が一番好きなワインの産地です。聖地です。

そこでまず訪れたのは、樽製造工場その名も「Francois Freres」。


おいしいワインを作るためには、ブドウの実や醸造熟成設備も大切ですが、樽の存在を忘れる訳にはいきません。
どんな材質のどこ産の、どんなサイズの樽にどれだけの長さ液体を寝かせておくのか。その樽も、新樽なのか、一年落ちなのか二年落ちなのか、そして、そうして出来たワインをどのようにブレンドするのか、などなど、ワイン造り終盤において、樽がワインの味を決める重要な要素になってきます。
もちろん、木材の産地も重要な要素です。トロンセの木が最高だ、と言われます。けれども、彼らによると、どこの木でも大した違いはないそうです。どうも、みんながトロンセばかり切っていたら森があっという間になくなってしまうので、政府による規制などがあり、必要量のトロンセ産の入手が難しい、というのが実際のところのようです。

中は男の職場。



ブドウ醸造熟成施設に見飽きてきた目には、とても新鮮で楽しかったです。

そして、モンラッシェあたりの畑をぷらぷらします。ここがグランクリュ、シュヴァリエモンラッシェの畑。




夜はまた保湿器ならぬ星付きレストラン「Benaton」。色々な感覚が麻痺してきます。ワインも食事も、すでにいろんな意味で飽和状態。
神様、僕はこのままどこへ行くのでしょう。

エルミタージュへ

翌17日はアヴィニョンを出て、まずはシャトーヌフドパプ最大の生産者、シャトーボーカステルを訪れます。畑には、手のひらほどの大きさの石がごろごろ。これがシャトーヌフドパプの畑の特徴だそうです。


で、色々試飲。違いがわかりません。
ちなみに、試飲はしませんでしたが、ここのフラッグシップは、創業者(?)の名を冠した、「オマージュ・ア・ジャック・ペラン」です。高いみたいです。

そしてエルミタージュのポールジャブレエネ。ローマ時代に掘られたという岩穴をカーヴとして利用しています。


カーヴの内部はこんな感じ。ここに限らず、多くのカーヴは歴史を感じさせます。


で、色々と試飲。全然わかりません。
ちなみに、ポールじゃぶれエネのフラッグシップ「ルシャペル」は高いワインです。
61年が200万円。僕の生まれ年の62年が14万円。78年が30万円、90年で21万円。
最新ヴィンテージ(多分2007)でも2万円近くします。
先日、香港の富豪が、61年のルシャペルを買うためだけに、やってきたそうです。

夜はミシュラン星付きレストランデビュー。二つ星の「Les Cedres」。日本人が三人も働いていました。味はなんだか濃いめ。ここで、82年のルシャペルをマグナムでいただきました。これだって、かなりお高いワインだそうです。こういうレストランでは、出荷されてすぐに買っておいておくので、時として驚くほど安い値段で、ヴィンテージものが飲める事があります。

その夜は、タンエルミタージュの街に宿泊。朝起きて駅まで。

アヴィニョンの夜2

試飲はしませんでしたが、ワイン商のアルノー、ペスキエのフレデリック(アレックスのお兄さん)、サンコムのルイ、モンフォコンのルディの四人が、自らを「Rhone Gang」と名乗り、三つのシャトーのブドウを三分の一ずつ使ったワインも作っています。


長いワインの歴史の中で、ずっとブルゴーニュやボルドーの後塵を拝しつづけてきたローヌワインも、ここ20年くらいで少しずつその立場を盛り返して来ています。それは、上にあげた四人のもう一つ前の世代の人たちの力によるところが大きいようです。おそらくは第二世代に当たる彼らは、ある程度の実績を元に、もっともっとローヌの地位を高めようという野心に満ちているように見えます。
この「Rhone Gang」というユニットも、その野心の現れでしょう。
それはたとえば、大阪のミュージシャンたちが、大阪の音楽シーンを盛り上げようぜ、ってかんじでユニットを組んでライブ活動をするのに似ている気がしました。
こういうユーモアに富んだ気概は良いものですね。

そんな彼らにとって、我々のような、良質な日本の末端消費者にアピールすることも大切な仕事なのでしょう。もちろん、彼らの底抜けの親切さの値打ちは、それが仕事の一部であったからといって、わずかでも損なわれるものではありません。
本当に貴重な経験をさせていただきました。

そして夜はアヴィニョンのホテルに宿泊。

ファミリーコンサート

さあて、僕がフランスでワインにうつつを抜かしているうちに、コンサートのチラシが出来ました。告知は松尾楽器さんのホームページをどうぞ。

アヴィニョンの夜


夜は、ガーナ出身のジョー(写真)がオーナーシェフとして腕をふるう、こぢんまりとしたレストラン、「Le Chapelier Toque」を借り切ってまた飲みまくり。案内人のアルノー、ペスキエの若旦那アレックスに加え、シャトーモンフォコンのルディも駆けつけてくれました。

写真中央がルディです。

まずはシャンパーニュのロゼ。なんでしたかね。
2009Ch.モンフォコンの白。ヴィオニエとマルサンヌだそうです。今は瓶熟成の段階で、まだ市場に出回っていないものを特別に飲ませていただきました。
2008Ch.モンフォコンのヴィオニエ。ステンレスタンクで発酵熟成させたもの。
同じく2008モンフォコンのヴィオニエ。オーク樽を使ったもの。
2007Ch.ペスキエ「カンテサンス」白。
2007モンフォコン赤。グルナッシュシラーサンソーカリニャンのブレンド。
2007モンフォコン「Baron Louis」。上の四種に加えて、クノワーズムールヴェドルもブレンド。50%樽、50%ステンレス。

モンフォコンというのは、ペスキエ、サンコムに比べると、やや複雑で控えめな感じのワインだそうです。
2007モンフォコン。1829年当時のオリジナルラベルの記念キュベをマグナムで。15種類のブドウをブレンドするというアイデアは日本で生まれたそうです。これは、AOCの規定から外れるので、ヴァンドターブルとしての販売になります。その心意気やよしですね。
2009同じワインの樽入れ直後のものもちろん非売品。市場に出回るのは多分早くて半年後くらいではないかと思います。マロラクティック発酵が始まっていないにもかかわらず、フルーティで苦みも少なかったです。

そして、1998年はローヌの当たり年のコートロティ。
まだまだあるぜ。
1997Ch.モンフォコン「baron Louis」マグナム。蝋封です。カリニャン30%。個人的にはこれが本日のベストかな。
1997Ch.ペスキエ「カンテサンス」赤。

ごちそうさまでした。

シャトーサンコム

シャトーペスキエでワインとともに軽い昼食をいただいて、次に向かうのがCh.サンコム。
ペスキエが果実感のあるわかりやすいワインを作るのに対し、こちらサンコムのワインは凝縮感が特徴だそうです。
まあ、色々見せてもらって説明も受けましたが、すでにあきらめモード。情報量多すぎです。それに、いつも思うことですが、そういう話を聞いて、「ああだからここのワインはこんな味になるのだな」などと、少しでも思えれば、それは自分の中にしっかりとした位置を占めるんでしょうが、とにかくひたすら徹底的にわかりません。
ただ、両シャトーともに、南部の割には涼しいということを強調します。ブドウを育てるのに、冷涼な気候がいかに大切かがこのことからもわかります。

ペスキエが家族経営の割には比較的規模が大きくて、ちゃんとブティックワイナリーの体裁を整えているのに対し、こちらサンコムはそれこそ数百年前からワインを作っていたという建物も残っていたりして、規模的にもやや小さく、「農家」の趣がより濃く残っている印象でした。下が現オーナーのルイ氏。


そんなワイナリーの、樽を何段にも積んである倉庫で試飲。

2008コンドリウ。サンコムさんはネゴシアンもやっているそうで、ヴィオニエも作っております。
2007Les Deux Albionコートデュローヌのワインです。
2007Le Clauxジゴンダス樹齢130年の木からできるブドウをつかっています。
2003コートロティのマグナム。コートロティには深さと軽やかさの両方が必要なんだそうです。これなどは、かなりお値打ちワインらしいです。その値打ちがわからない自分が情けない。
次に、2007年シャトーヌフドパプになる予定の数種類の樽から直接オーナーのルイが即席でブレンドしてくれたワイン。来年二月に瓶詰め予定だそうです。ムールヴェドルの比率が高いのが特徴だそうです。
ここでも徹底的に絶望的に何もわかりません。必死でメモだけはとりますが、味の全くわからない自分に、こんな事が役に立つのでしょうか。

シャトーペスキエ4

まあ以上のような説明を受けたあと、こんなお部屋で試飲に入ります。

ちなみに試飲の事を「でぎゅすたしおん」と申します。

なんと申しますか、これがいつものように、さっぱりわからないんですなあ。
情けないお話で。


今日はボーヌ二日目。飲むわ食うわ。
何度も言っているように、自分はこういう、高級ワインをたしなみつつ、おいしいお食事に舌鼓を打つ、などという生き様とは180度反対の人生を、ほとんど揺るぎなく、ある種の確信すら持って40年以上も歩み続けてきたわけで、全く何も知らない事も、何もわからない事も当然のことなのですが、他の参加者との歴然とした文化度の差を感じてしまうと、やっぱり時々は途方に暮れてしまいます。

なんとか前向きにいきましょう。

シャトーペスキエ3


次に、発酵途中の液体をいくつか試飲。まずは、ステンレスタンクで三日前に発酵を始めたルーサンヌ。甘くておいしいブドウジュースです。これでアルコール度は2〜3%とのこと。最終的には、樽で発酵させた物と混ぜるそうです。
同じくヴィオニエ。酸も糖もルーサンヌより高い印象。パインジュースのようでした。

次が発酵二週間経つロゼの試飲。酵母が生きているので、濁ったピンク色をしています。セパージュはシラー30%にグルナッシュ70%。直接圧搾法のロゼです。これも最終的にはセニエのロゼと混ぜるようです。この段階でアルコールは約11%。木イチゴやバナナの香りがポイントだそうです。

そして発酵後10日経つ赤ワイン。グルナッシュ60%とシラー40%の混醸です。混醸というのは、違う品種のブドウを同じタンクに入れて醸造すること。別々のタンクに入れて醸造したあとに混ぜるのはブレンドといいます。どちらをとるかは、それぞれのシャトーの考え方だそうです。何となく、ブレンドの方が高級なのかと思ってました。ここシャトーペスキエでは、混醸です。混醸の方が、タンニンのバランスが良くなる、というのが理由だそうです。
この段階で、すでにアルコール度は12〜12.5%。マロラクティック発酵前なので、酸も強く、苦いです。発酵終了後三週間してから、マロラクティック発酵に入ります。
そして樽熟成。樽の台が車になっていて、樽が回転します。これによって、バトナージュよりもソフトに液体と澱を混ぜることが可能になります。
試行錯誤の結果、木目の細かい「Radoux」の樽を使用。木目の細かさがタンニンの繊細さにつながるらしいです。焦がしはMT+ミディアムトーストプラス。新樽、一回使用樽、二回使用樽を混ぜて使います。

シャトーペスキエ2


まずは畑から採ってきたばかりのブドウを生でいただきます。左から、グルナッシュ、シラー、クレレット。
グルナッシュは実が大きく糖度も高いです。シラーは実は小振りで糖度もそれほど高くないが、種が大きく、皮が厚い。ちなみに、糖度はそのままアルコール度数に、皮の厚みはタンニンの量に直結します。
これら以外にも、樹齢106年のカリニャンや、ムールヴェドルも混ぜます。
シラー、グルナッシュ、ムールヴェドルの順に早熟。シラーが熟して、約三週間後に、ようやくムールヴェドルが熟します。ムールヴェドルは晩熟な上、収穫量も上がらず、ある種の病気にもかかりやすいというなかなかやっかいな品種だそうです。

白ワインの収穫は気温の低い早朝に行います。収穫後、ブドウの実を上からタンクに落とし込み、必要最低限のSO2添加。摂氏7℃から8℃でスキンコンタクトを12時間から15時間。これ以上長いと皮の渋みが出てしまいます。
圧搾後、3℃まで温度を下げて、澱が沈むのを待つ。冷却式デブルバージュ。澱を取り除き、48時間かけて、徐々に温度を17℃くらいまで上げて、そこで初めて酵母を入れ、発酵開始。発酵は二週間余り。温度が上がりすぎると、白ブドウの繊細なアロマが壊れてしまいます。
白の看板キュヴェである「Quintessence」では、樽熟成も行います。

はあたいへん。

シャトーペスキエ


今朝、エルミタージュを出て、色々回って、ついにコートドールにやって参りました。
ボーヌのホテルは、インターネットが有料。それでようやくつながったので、少し前からさかのぼって、旅行のご報告といきたいと思います。


いよいよ始まりました、ワイナリー巡り。一番肇に訪れましたのは、コートデュヴァントゥにあるシャトーペスキエでーす!でんどんでんどんでんどん。
コートデュヴァントゥというのは、コートデュローヌの東側に広がるAOCです。
Chateau Pesquieは、Mt. Venteuxという2000メートル近い山の麓に広がる畑をもつ、家族経営のワイナリーでした。1970年代後半から頭角を現し始めたこのシャトーの礎を築いたのが、ポールさん(写真左)。

今は息子のアレックスさん(写真右)が後を継いでがんばっています。ちなみに中央が無償で今回の南ローヌ巡りのコーディネイトをしてくれた、ワイン商のアルノー氏です。

山から吹き下ろす風、そして冬のミストラルによって、南部としては冷涼な気候であることが特徴。昼夜の寒暖差の大きさもブドウのタンニン、酸、色づきに貢献。
皮や種もしっかり熟成することがワインの骨格に寄与。
土壌はさまざまであり、土の浅い部分で保水性の高い土壌には、それにあった台木、品種を、土の深い部分で保水性の高い土壌には、同様にそれに合った台木、品種を、と土壌を深く掘り、分析することによって、区画ごとに最適のワインができあがります。というわけで、南部にありがちな、混植はしていません。
このあたりのワインは、極めて小規模なワイン農家が協同体でつくる事が多いため、地域最大の100haを誇るシャトーです。

栽培方法は、リュットレゾネ。それもかなりビオに近い。SO2の添加は不可欠として、それ以外の化学物質は極力避けている模様。

ブドウの収穫時期を決める二つの指針、それは、糖度とフェノール類の熟成です。フェノール類とは、ワインの色を決めるアントシアニン、渋みを司るタンニンなど。一般的に、フェノール類の熟成を待つと、実の方が熟しすぎてしまうので、そのちょうど良いバランスを見極めて、収穫時期を決めます。
具体的には、科学的アプローチとして、アルコール濃度と糖度の関係、それから、アントシアニンの量を計測。実際に実を食べてみる事も重要。果汁は透明か、しっかり糖が乗っているか、皮の味はどうか、種は青臭くないか、しっかりとクリスピーになっているか、など。

ついていけてますかー?

ここはエルミタージュ


右にポールジャブレエネ、左にシャプティエの畑が見えます。

Gmailとgooだけが、なぜか繋がらないまま。昨日のホテルも一昨日のホテルもということは、こっち側の問題なのでしょうが、さっぱりお手上げです。
ブログは日本に戻ってから更新すればよいけれど、メールのやり取りが出来ないのが困ります。

今日は、コートロティ等を通って、ブルゴーニュに向かいます。

【Shin Sato】

ネット不調

なぜか一番大事なgooとGmailの二つだけがつながりません。
でもご安心ください。生きてます。書くことは山ほどあるのになあ。
【Shin Sato】

パスティス


先日うちに泊まりに来たフランス人のカップル
に教えてもらったお酒、ちゃんと試してみました。

プロヴァンス地方でよく飲まれているというお酒、パスティスです。リカーともいうそうですが、僕が見つけたのはパスティスです。

アニス系のやや甘いリキュールに、氷を入れて、お好みで水で割っていただきます。思ったより飲みやすかったです。


マルセイユはあいにくの雨。雷も鳴ったりしています。旅程表によると、今日は、シャトーペスキエとシャトーサンコムを巡る予定になっていますが、さてこの激しい雨でどうなるのでしょうか。
今までは、全部自分で考えて自分で行動を決めてきたのですが、今日からは、そういう頭脳はよそにまかせてしまいます。まあ楽といえば楽です。バス移動なので、車中寝たり文章書いたりも出来そうですし。
ぼちぼち出発です。
買ってね
2012までのストレッチマン音楽集です。未発表曲もあるでよ。
The Backstreet Shinings
スクエアの劇団内バンド「ザ・バックストリートシャイニングス」のデビューCDです。

満月倶楽部
ハープとアコーディオンのデュオ、「満月倶楽部」もよろしく。レパートリーは60曲に達しました。
満月120
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